みなとみらい調査隊 [第45回] 2007/12/30UP
様々なイベントや新施設誕生などで、常に目が離せないみなとみらい21地区。我ら「みなとみらい調査隊」がその裏側に密着取材します!
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[指令]
たくさんの人に愛されてきた“ハマのドック”こと「ドックヤードガーデン」を
調査せよ!

横浜ランドマークタワーの敷地内にある荘厳な石造りの「ドックヤードガーデン」。ここってなんだろう?「犬(ドッグ)を遊ばせる場所・・・!?」いいえ、“ドック(船渠/せんきょ)”とは船の修理・定期点検を行う施設のこと。横浜ランドマークタワーができる前、この周辺には旧横浜船渠(株)の2つのドックがあった。現在、帆船日本丸を係留し保存されている「第1号ドック」と、「ドックヤードガーデン」として生まれ変わった「第2号ドック」。このドックは日本で現存する商船用石造りドックとしては最も古く、横浜市認定歴史的建造物、国の重要文化財にも指定されている貴重な建造物だ。今回はその歴史をたどりつつ、「ドックヤードガーデン」の魅力に迫る!

[写真]ドックヤードガーデン
[報告]1 ドックの歴史① 港横浜の発展とともに活躍してきた第2号ドック
[写真]ドック機能停止1973 船の出入り口だった扉船が外され、機能停止時の第2号ドック。(現在の横浜ランドマークタワー側から望む/1973年頃) 「旧横浜船渠第2号ドック」が活躍した時代は、日本が近代国家として飛躍していった明治時代に遡る。当時の横浜は横浜築港計画が進められ、大桟橋の建設とともに、船渠や倉庫など港湾関連施設の整備も急がれていた。これを受けて設立された横浜船渠(株)[のちに三菱重工業(株)に合併]は、海軍技師でドック築造の専門家恒川柳作氏の設計により1896年「横浜船渠第2号ドック」を竣工。その2年後、第1号ドックも竣工した。長さ約117m、上部幅約27m、深さ約10mもの巨大な第2号ドックは11,966個もの石が使用され、明治の技術者の熱意と技術の粋を結集し約2年で造られた。以来、明治・大正・昭和と港横浜の発展の原動力として歩み、数千隻にも及ぶ船の修理に携わってきたが、1973年にその機能を停止することになった。そして、みなとみらい21事業開始にともない造船所は移転、横浜ランドマークタワーが建設されることになる。
調査隊's VOICE
 「ハマのドック」は横浜にゆかりの深い作家の作品にも登場している。小説家・長谷川伸(1884〜1963)は、少年時代に第2号ドックの建設現場で“現場小僧”として使い走りの仕事をしていた時の様子を自伝随筆『ある市井の徒』や『新コ半代記』に書き、また、『鳴門秘帖』や『新・平家物語』で知られる人気作家・吉川英治(1892〜1962)も、船具工としてドックで働いた経験を『かんかん虫は唄う』などに描写している。
[報告]2 ドックの歴史② 歴史的遺産を継承しつつ、新たな賑わいのスペースに
[写真]1・2号ドック1986 1986年当時の第1号、第2号ドック。第1号ドックは、1985年には日本丸メモリアルパークの一部として整備され、帆船日本丸の一般公開も開始されていた。 第2号ドックは、近代土木史初期の石造り構造物で貴重な遺産であることから、後世に伝えるべくみなとみらい21事業の計画で保存活用していく方針が決まっていたが、その構造や形態などの資料は少なく、再生活用する際の安全性等にも不安があった。そこで、1989年12月から約半年をかけ、横浜市と三菱地所(株)が共同調査を実施、ドック内の石積みを全て解体し、調査、修復・復元作業を行った。横浜ランドマークタワーのオープンと同じ1993年、位置を北東方面へ30m移動し、長さ約10m縮小することとなったが、側壁石積みは解体保管した石を使用するなど忠実に復元され、イベントスペース「ドックヤードガーデン」として再生された。さらに、石積みの裏には、飲食店が設けられるなどの新たな機能も加えられ、歴史的建造物としてだけでなく、横浜ランドマークタワーの重要な施設として新たな役割も果たしている。
調査隊's VOICE
[写真]悠久の聲
ドックヤードガーデンでは、この場所の特徴を活かしたイベントが開催されているが、なかでも、昨年「悠久の聲〜高野山・比叡山の声明〜」と題し行われた「声明」と「あかり」のコラボレーションは、タワーの高さとドックヤードガーデンの独特な音の響きを最大限に活かしたイベントだったそう。高野山・比叡山の僧侶約50人の厳かな「声明」と世界的に有名な照明デザイナー・石井幹子さんがタワー側壁に映し出す「曼荼羅」と「光」とが、幻想的な世界を
演出し大好評だった。
[報告]3 「ドックヤードガーデン」の現在、そして未来!

[写真]三菱地所ビルマネジメント(株)横浜事業部 営業管理部 参事 中村洋平さん、SC事業部 副主事 斉藤学さん。
左から、三菱地所ビルマネジメント(株) 横浜事業部 営業管理部 参事 中村洋平さん、SC事業部 副主事 斉藤学さん。
現在の「ドックヤードガーデン」について、横浜ランドマークタワーの管理・運営を行っている三菱地所ビルマネジメント(株)の中村さんと斉藤さんに伺った。オープン当初から見守ってきた中村さんは「ドックヤードガーデンは文化遺産であり、産業遺産ともなる大切な財産です。横浜のシンボルとして、その価値を守ると同時に、最先端の建築物である横浜ランドマークタワーとの調和を大切にしたいですね」。ドックヤードガーデンでは、展示やコンサート、スポーツイベントなど幅広く活用されているが、最近ではテレビや雑誌などの撮影スポットとしても人気を集めているそう。「“ハマのドック”を知っている方は『懐かしい』と来ていただいていますが、実際には、あまり知られていないようです。ここはいつでも自由に入れるので、どんどんこの空間を肌で感じてほしいですね」と斉藤さん。文化遺産として生まれ変わったドックヤードガーデン。横浜の貴重な歴史を伝えると同時に、さらなる船出(新たな活用!)を楽しみにしたいと思った調査隊でした。
調査隊's VOICE
[写真]イルミネーション
冬の風物詩「ウィンターイルミネーション」が今年も石造りのドックを彩ります。ドック全体が約7万球のイルミネーションに包まれ、石段を照らし出す絶妙のライティングとともに煌めきます。みなとみらいの夜景とともに港町・横浜を満喫できる一押しスポットに!記念撮影は、ドックヤードガーデンの上にかかる「光のアーチ」がおすすめ。2008年2月末まで開催中!
【Data】
横浜ランドマークタワー「ドックヤードガーデン」
住 所 横浜市西区みなとみらい2-2-1
交 通 JR・市営地下鉄「桜木町」駅下車徒歩約5分
みなとみらい線「みなとみらい」駅下車徒歩約3分
T E L 045-222-5015
U R L http://www.yokohama-landmark.jp
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