みなとみらい調査隊 [第29回] 2006/8/30UP
様々なイベントや新施設誕生などで、常に目が離せないみなとみらい21地区。我ら「みなとみらい調査隊」がその裏側に密着取材します!
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[指令] みなとみらい21地区のアート発信基地・横浜美術館を調査せよ!
国内外から集めた約9700点ものコレクションを収蔵し、横浜を代表するアートスポットとして人々に愛されている横浜美術館は、1989年の開館以来、みなとみらい21地区で最初にできた施設として、移り変わりを見つめてきたヌシ的存在でもあった! 今回の調査隊は、オープン前から携わってきた学芸員の方々に横浜美術館のこれまで、そして、これからについて伺ってみた。
[報告]1 既存のスタイルを打ち破る画期的な美術館として横浜に登場!
[写真]1987年のみなとみらい21地区の様子
1987年のみなとみらい21地区の様子。作品を鑑賞するだけのそれまでの美術館とは異なるスタイルを目指し、体制づくりから作品集めまですべてがゼロからのスタートだった。
みなとみらい21地区は、21世紀に向けた壮大な都市計画として一帯の整備が進められ、ほぼその真ん中に市民の文化活動の拠点として横浜美術館がつくられた。
「それまでの美術館といえば、展示スペースに小さな図書館がついたようなところが多かったけれど、ここは全く違う構想のもとにつくられました。アートを愉しむ美術館の先駆けだったんです」と話すのは準備室時代に始まり、現在勤務歴24年目を数える猿渡紀代子学芸教育グループ長。市庁舎の片隅にあった準備室はかなり狭かったけれど、いつも活気いっぱい。運営も従来のお役所体制ではなく民間の力を積極的に導入し、基本構想をかためる委員会には、トップクラスの美術評論家や大学教授が迎えられ、開館直後には三宅一生など第一線で活躍するクリエーターたちもブレーンとして参画。「みる」「つくる」「まなぶ」の機能を包含し、絵画を映像で鑑賞するシステムを有する美術情報センターや、写真専門の展示スペースなど、画期的な施設を備えた横浜美術館は、国内外の注目を集めるなか開館したという。
調査隊's VOICE
1989年の横浜博覧会開催時には、パビリオンの一つとして華やかにオープンした横浜美術館だが「博覧会前は荒野にポツン、他のパビリオンが撤収された博覧会後に正式開館を迎えたが、再びポツン…(笑)。女性職員は防犯ブザーをもたされ、雨降りでぬかるんだ道路を歩くときは長靴が不可欠だった」と猿渡さん。横浜ランドマークタワーや動く歩道が形になっていくのを見ながら、建設用ダンプカーの間をくぐりぬけて美術館を目指す、サバイバルな通勤風景が繰り広げられていたそうだ。
[報告]2 大人も子どもも遊んで学べるアートセンター
[写真]猿渡紀代子さん(右)と八柳サエさん(左)。
猿渡紀代子さん(右)と八柳サエさん(左)。アルバムを見ながら「昔はまわりに昼食を食べるところがなくて困ったわよね〜」と懐かしげな様子。
建物の設計者は日本を代表する建築家・丹下健三。2、3階吹き抜けで、エントランスホールの役割も果たすグランドギャラリーは、ガラス張りの天井から光が降り注ぐ大空間。訪れる者を非日常の世界に誘う。雛壇状の設計を活かし、これまでディオールのファッションショーやポルシェの展覧会、クラシックコンサート(なんとワイン&チーズ付き!)など多彩なイベントも開催し、「文化交流の場」としての美術館の活動に広がりをもたらしてきた。また、作品づくりを通じて美術と触れ合える「市民のアトリエ」や、今やお母さんたちの人気スポットで、子どもたちが思う存分絵の具や粘土を使って遊びながら学べる「子どものアトリエ」では、「創る場」としての美術館の意欲的な活動が行われている。
調査隊's VOICE
学芸員の八柳サエさんにお財布ナシでも楽しめる活用術を教えていただいた。中堅・新進作家の作品展を行うアートギャラリー、企画展に合わせて土曜日午後に開催されるミニコンサート、ビデオライブラリーを鑑賞したりアートイベント情報がチェックできる美術情報センター、「子どものアトリエ」内の親子のフリーゾーンなど、これらみんな無料で利用可!さらに11月3日は開館記念日で入場無料。とにかくHPをチェックしよう!
[報告]3 さまざまなつながりを生み出す“アートコミュニケーション”の場へ
[写真]「アーティスト・イン・ミュージアム横浜」での高校生と作家の川島秀明氏
アーティストと会話をしたり、制作現場を間近で見られるプロジェクト「アーティスト・イン・ミュージアム横浜」での高校生と作家の川島秀明氏。
数十万人規模の動員数を誇るゴッホ展やルーブル展とともに、独自の企画色を打ち出した展覧会も数多く開催してきた横浜美術館。近年は美術を楽しんでもらう仕掛けづくりにも意欲的だ。例えば、モダニズムの祖といわれるデュシャンの展覧会では、来場者同士で作品を語る会を行ったり、9月20日まで開催中の「日本×画展(にほんガテン!)」でも、描かれたものを丁寧に見ていくためのユニークな質問を盛り込んだワークシートを配布し、今までとは違った楽しみ方を提供。さまざまな企画を手掛けてきた八柳さんは「身構えず、ただ素直に作品を楽しんでほしい」と話す。
「アートを介して生まれる人と作品、人と人、地域と美術館とのつながり。そんな機会をもっとここで生み出したい」と猿渡さん。今後も、美術館の舞台裏をのぞくバックヤードツアーや、アイドルをテーマにした斬新な現代美術展など魅力的な企画を予定している。ますます横浜美術館から目が離せない!
調査隊's VOICE
「暮らしに根付いた美術館として、日常的に楽しめる催しをしてゆきたい」とお二人。みなとみらい21地区の魅力はグルメとショッピングだけと思ったら大間違い!アートのある生活、これは楽しまなきゃソンかもしれないぞ!?
【Data】
横浜美術館
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL:045-221-0300
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※ 企画展開催中の金曜日は20:00まで(入館は19:30まで)
休館日:木曜日 ※祝祭日の場合は翌日
料金: コレクション展/一般500円 大学・高校生300円 中学生100円 小学生以下無料
企画展/各開催により異なります
※他割引あり
交通アクセス: みなとみらい線「みなとみらい」駅下車徒歩3分
JR・市営地下鉄「桜木町」駅下車徒歩10分
URL:http://www.art-museum.city.yokohama.jp/
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