みなとみらい調査隊 [第27回] 2006/6/30UP
様々なイベントや新施設誕生などで、常に目が離せないみなとみらい21地区。我ら「みなとみらい調査隊」がその裏側に密着取材します!
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[指令] アメリカ・カナダ大学連合日本研究センターを調査せよ!
横浜港を眼下に眺めるコンベンション施設『パシフィコ横浜』。その5階に「アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター」がある。日本語と日本の様々な文化や専門分野を教育、研究する機関として日本に開校して43年、これまで1,400名以上の卒業生が巣立ち、大学教授や、日本との文化、ビジネス交流に携わる実務家として活躍している。大学における日本研究やビジネスに活かせるような高いレベルの日本語教育を行うセンターの実体に迫ってみた!
[報告]1 心の通うコミュニケーションを目指して、上級レベルの日本語を習得
[写真]所長のケネス・D・バトラーさん
1967年から日本で暮らすバトラーさんにとって今や故郷は日本。休日には鎌倉によく行くのだそう。
調査隊を笑顔で迎えてくれたのは、所長のケネス・D・バトラーさん。バトラーさんは1951年、朝鮮戦争中にアメリカ海軍のコンピューター技士として横浜港にやってきた。もともと戦争に疑問をもっていたこともあり、海軍を出たのちハーバード大学大学院で東洋言語学を専攻。エール大学で日本文学助教授として教鞭をとっていた時に、センターの前身である「アメリカ・カナダ十大学連合日本研究センター」の所長に抜擢された。「日本とアメリカは仲良くしなければならない。でも、私達が教科書的な硬い日本語で話しても、日本の人たちと本当に親しくはなれない。上級レベルの日本語をきちんと学べるところが必要だったのです。」
学生は主に北米の大学院生で、日本学の研究で著名な北米の17大学が加盟し、運営をバックアップする。専門分野での研究の他に、大学での基礎的な日本語教育を2年以上受けた後、センターにきて、将来の研究活動や専門業務に必要な高度な日本語力を身につけている。
調査隊's VOICE
高校時代に第二次世界大戦を体験したバトラーさんだが、来日するまでに抱いていた日本人へのイメージは実際の人々とのふれあいを通じて大きく変わったと言う。「日本の良いところはたくさんあります。特に日本人独特の「和」。英語に訳すと「ハーモニー」ですが、アメリカ人にはなかなかこの心は理解してもらえないんですよね…。」とちょっぴり残念そうな表情が印象的。
[報告]2 10カ月の特訓期間はまさに日本語漬けの毎日
[写真]テキスト
漢字や待遇表現の基本的な教材のほか、手紙の書き方のテキストも。生徒は毎日、予習復習に大忙し!
授業期間は10カ月。短いようだが、密度は濃い。習熟度別少人数制で1クラスは5人程度。常用漢字1,945字の必修をはじめ、敬語表現、話し言葉・書き言葉の表現etc、生きた日本語を身につけるためにドラマやニュース番組も教材として活用される。センター内は基本的に英語禁止。壁には復習用の漢字表が貼られ、家では予習に追いまくられて1日4、5時間程度しか睡眠時間がとれない学生もいるとか。「休み時間はお互い日本語で話をしていますし、漢字も私より詳しい人もいますよ(笑)。」と総務の古尾谷三重子さんも学生たちの学習意欲に感心することしきり。
調査隊's VOICE
所長就任当初、教材はゼロ!スタッフの日本人教師たちと一緒に1からプログラムを開発し、ビデオを用いて独自の視聴覚教材を作ったりと、かなりの苦労をされた。そんな努力のおかげで学生たちは見事な日本語を習得。卒業生には、「代議士の誕生」の著者で国際政治学者として著名なジェラルド・カーティスさんや、在日米国大使特別補佐官を務めたケント・カルダーさんなど日米関係に大きな役割を果たす人たちも名を連ねる。
[報告]3 ユニークで内容の濃い卒業発表会に日本人も興味津々
[写真]卒業発表会
今年は6/6(火)・6/7(水)の2日間に渡って行われた卒業発表会。「源氏物語絵巻」、「ライブドア対フジテレビ、敵対買収に関する日本の法整備」、「ひきこもりにおける日米文化の背景について」等々、立派な日本語での発表は聴衆を飽きさせないものだった。
前期は徹底的に日本語能力を高め、後期は専門分野や興味あるテーマの研究に心血を注ぐ。そして、その成果は6月の卒業発表会へ。歴史、文学、経済、文化まで多彩でユニークなテーマが次々と飛び出し、参加した人たちも内容の深さに興味津々。毎年この機会を楽しみにしている人も多く、休憩時間には発表者に質問を投げかけ、話に華を咲かせている人の姿も。
「横浜は東京とくらべて、昔から外国人を受け入れやすい雰囲気がある。だから日本の専門家を育てるのにこの街は最適。」と話すバトラーさんは、横浜在住10年の根っからの横浜びいき。19世紀、黒船が来航し、日本が世界へ向けて門戸を開いた土地・横浜で、現在は日本研究・日本の専門家を続々と輩出し続ける教育機関。これからも日本と海外の架け橋となる逸材が生まれることに大きな期待が寄せられる。
調査隊's VOICE
東京にあったセンターは、1987年、横浜市の誘致によって桜木町へ移転、その後現在のみなとみらい地区「パシフィコ横浜」に本拠を移した。
【Data】
アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター
住所:横浜市西区みなとみらい1-1-1 パシフィコ横浜 横浜国際協力センター5階
TEL:045-223-2002
交通アクセス:みなとみらい線「みなとみらい」駅下車、徒歩5分
オフィシャルホームページURL:http://www.iucjapan.org/index.html
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